183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
絵文字もスタンプもない、つれないメッセージを返された後は、【おい】と柊哉が呼びかけても既読のマークは現れなかった。

冷やしうどんに、ちくわ天でもトッピングしているところなのかもしれない。

舌打ちをした柊哉は、手荒にスマホを置く。

(男と、だろ。真衣の奴、さらっと嘘つきやがった……)

性別以外のことに疑う余地はないが、嘘をつかれたことで柊哉の苛立ちが増す。

「くそ、後で尋問してやる」

吐き捨てるように言った柊哉の隣では、啓介が執務机の引き出しを勝手に開けている。

都内のコンベンションセンターで開催される株主総会の必要書類を、柊哉の代わりに出してくれていた。

「夫婦喧嘩は家に帰ってからな。まずは総会。早くジャケット着て。車を待たせてあるんだ」

「さぼって、うどん屋いきたい」

「そーかい。さっさとしろよ、怒るぞ。遅れたら、面倒な総会屋の奴らを調子づかせることになる」

啓介に叱られ、柊哉はようやく頭を切り替える。

必要書類を鞄に突っ込み、ジャケットを羽織ると、足早に副社長室を後にした。


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