183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
うまそうだと褒めた柊哉は、その後に顔を曇らせる。
(問いただすのは食べてからにするか。嫌な雰囲気の中で、味わいたくない。作ってくれた真衣にも悪いしな……)
怒るに怒れず、気持ちの持っていき方に苦慮し、それがため息となって漏れてしまった。
エプロンを脱いで、壁のフックにかけていた真衣が、首を捻って柊哉を見た。
「どうしたの? 今日の仕事、そんなに疲れるものだった?」
「まぁな。株主総会があった」
「それって疲れるの?」
「株主の中には、難癖つけて議事進行を妨害するのを楽しむ厄介な奴がいるんだよ。若い俺は、格好の標的だな。業績などは無視されて、血族で重役の枠を埋めていいのかと批判された。芹沢姓はたったふたりなのにな。毎年のことで慣れてはいるが」
一般的に総会屋と呼ばれるそういった者たちにストレスを感じているのは確かだが、批判を受けるのも仕事のうちだと思っているので、その程度でため息をつくことはない。
真衣に尋ねられたから、答えたまでだ。
「大変だったね」
さほど同情的な響きのない声で言った真衣は、「私、お風呂に入ってくるから」とリビングを出ていってしまった。
(問いただすのは食べてからにするか。嫌な雰囲気の中で、味わいたくない。作ってくれた真衣にも悪いしな……)
怒るに怒れず、気持ちの持っていき方に苦慮し、それがため息となって漏れてしまった。
エプロンを脱いで、壁のフックにかけていた真衣が、首を捻って柊哉を見た。
「どうしたの? 今日の仕事、そんなに疲れるものだった?」
「まぁな。株主総会があった」
「それって疲れるの?」
「株主の中には、難癖つけて議事進行を妨害するのを楽しむ厄介な奴がいるんだよ。若い俺は、格好の標的だな。業績などは無視されて、血族で重役の枠を埋めていいのかと批判された。芹沢姓はたったふたりなのにな。毎年のことで慣れてはいるが」
一般的に総会屋と呼ばれるそういった者たちにストレスを感じているのは確かだが、批判を受けるのも仕事のうちだと思っているので、その程度でため息をつくことはない。
真衣に尋ねられたから、答えたまでだ。
「大変だったね」
さほど同情的な響きのない声で言った真衣は、「私、お風呂に入ってくるから」とリビングを出ていってしまった。