【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「シュテルンヒェン先輩やフェルゼン先輩から信頼が厚いのも頷けます!」
なんか変な演説が始まったぞ。
「自然にあるものから縄を作り出し、そして血を流さずに獲物を得る姿の素晴らしさと言ったら」
それ、現場で馬鹿にしてたよね? 田舎者って言ってたよね?
「森の王者を前にして、自分が盾となり仲間を救おうとする強い意志と判断力」
それはシュテルも同じだと思うけど。
「風のように私の前に降り立って、いともたやすく私を守る。まるで神の降臨! 全てにおいて、憧れてやみません!!」
なんか意味が分からない。理解が追い付かない。
「……えっと、縄の綯い方なら教えるけど……?」
「はい!!」
そんなに目をキラキラさせること? 縄の綯い方を習いたいって、騎士としてどうなんだ?
「……あの、それで、ですね」
突然モジモジとするクラウト。どうしたトイレにでも行きたいのか?
「遠慮なく言って?」
「あ、あの、べ、ベルンシュタイン先輩は、フェルゼン先輩とお付き合いしてるのですか?」
「はぁ? してるわけないだろっ!!」
今まで無言だったシュテルが怒鳴った。