【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「ベルン様、どうぞを私をお守りください」
 
 両手を組んで祈るように見つめる姿に、胸がキュンとする。
 可愛い。マレーネ姫は変態に目を付けられてしまうほどに可愛いのだ。

「もちろんです姫様。あなたには指一本触れさせたりはしません」
「……ベルン様っ!」

 メイドもキラキラとした眼差しで見てはくれるが、現在私はそう、メイド服なんである。メイド服。あまり格好がつかない。
 ゴホンと侍女が咳払いするので、頭を下げる。

「貴女にはご迷惑をおかけします。ここにいる間はメイドですので、いたらない点はご指導ください」
「そんな騎士様にわたくしなどが」
「姫様のメイドとして、恥ずかしくないように教えていただけると助かります。メイドとしてお守りする。それが私の今回の任務ですので」
「は、はい……」

 侍女は顔を赤らめて俯いてしまった。


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