キミの世界で一番嫌いな人。




「ちなみに俺はこの学校で2番張ってるから。安易にトモダチになれそうとか思わないほうがいいよ、チビ」


「……」



え、この人いまチビって言った…?

ニコニコしながら「2番張ってる」とか、怖いこと言った…?

心のなかを読まれてる…?


こいつ……侮れない。



「それに俺、お前みたいなヤツ一番嫌いだし」



どうなっちゃうんだろ、私。

このまま彼に会って、その人が卒業するまで見守って。

そのために男になって来たと言っても過言ではなくて。


まずは見つけなきゃ、藤城 理久を。



「………牛乳ください」



購買に並ぶ美味しそうな弁当やパンをスルーして、ひとつの瓶を指さしたお昼休み。


あまり生徒は買わないのだろう。

すぐにおばちゃんは「はいよ」と渡してくれる。

90円の牛乳。
それが私の今日のお昼ごはん。



「おいてめー、それは俺が先に取ったんだよ」


「あぁ?オレが先だっただろ」


「あ?やんのか?」



周りでは喧嘩が始まりそうな予感。

大事に巻き込まれる前にひょいひょいと通り抜けて、屋上へ走った。


階段を登って、立ち入り禁止の看板が掛かるドアを勢い良く開ける───と。



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