キミの世界で一番嫌いな人。
「わー!きれい!」
「見て、青葉ちゃん。こっちのはすごい小さいよ」
「わあっ、ほんとだ…、かわいい」
ぷかぷかと、水中に浮かぶは海の月。
翌日は秋斗くんの言っていたとおり、ふたりで水族館に来た。
ちょうどクラゲフェアというものが開催されていて、幻想的なプロジェクターの中で飾られているクラゲたち。
「青葉ちゃんのほうがかわいいよ」
「っ…、そっ、そういうお世辞は大丈夫だから…!」
「俺ね、お世辞なんて面倒なこと言う人間じゃないから」
「……もーっ!」
たのしい。
楽しいね、秋斗くん。
「それでは海の世界へ行ってらっしゃ~い!」
今度は天井いっぱいに広がった海。
水族館内にはプラネタリウムまであって、さすが都会だ…なんてすっかり田舎っ子になってしまっている私。
そして何より落ち着かないのは……。
「ちょっとお、こんなところでやめてよぉ~、バカぁ」
「いいだろ、誰も見てないって」
健全なプラネタリウムじゃなかったってこと。
まるで映画館のカップルシート。
ここの座席はどうにも、全席そうなっているというのが売りらしく。
居たたまれない私を見てはニヤニヤ笑っている秋斗くん。