キミの世界で一番嫌いな人。




「わー!きれい!」


「見て、青葉ちゃん。こっちのはすごい小さいよ」


「わあっ、ほんとだ…、かわいい」



ぷかぷかと、水中に浮かぶは海の月。

翌日は秋斗くんの言っていたとおり、ふたりで水族館に来た。


ちょうどクラゲフェアというものが開催されていて、幻想的なプロジェクターの中で飾られているクラゲたち。



「青葉ちゃんのほうがかわいいよ」


「っ…、そっ、そういうお世辞は大丈夫だから…!」


「俺ね、お世辞なんて面倒なこと言う人間じゃないから」


「……もーっ!」



たのしい。

楽しいね、秋斗くん。



「それでは海の世界へ行ってらっしゃ~い!」



今度は天井いっぱいに広がった海。

水族館内にはプラネタリウムまであって、さすが都会だ…なんてすっかり田舎っ子になってしまっている私。


そして何より落ち着かないのは……。



「ちょっとお、こんなところでやめてよぉ~、バカぁ」


「いいだろ、誰も見てないって」



健全なプラネタリウムじゃなかったってこと。

まるで映画館のカップルシート。


ここの座席はどうにも、全席そうなっているというのが売りらしく。

居たたまれない私を見てはニヤニヤ笑っている秋斗くん。



< 266 / 317 >

この作品をシェア

pagetop