キミの世界で一番嫌いな人。
そうだよ、そうなの。
そんなの赤の他人がやってくれるようなことじゃない。
私だって小さいとき、ずっと思ってた。
このまま私はずっとずっとこの身体のままなんだろうなって。
でもあなたはヒーローだったんだよ、小さな小さなヒーロー。
「うまい具合に降られちゃったね」
その日は、あの日みたいに急に雨が降ってきた。
外でのデートを早めに切り上げて、とりあえずは私の住んでいたマンションへ秋斗くんと直行。
初日はこのマンションで、次の日は秋斗くんの家に泊まらせてもらうという、
───…予定だった。
「あ、チョコ大丈夫かな…。濡れちゃってるかも」
手にしていた紙袋の中身を確認。
箱は無事だけど、メッセージカードが少し湿ってしまっていた。
でも何とかちゃんと文字は読めそうだ。
「…これ…どうぞ、」
「…ありがとう」
ザァァァァァァ───…。
雨が強い。
電気をつけているはずなのに暗い。
彼氏に会えたのに、こうして手作りチョコを渡せているのに。
それでも暗いのはどうして…?