キミの世界で一番嫌いな人。




「わ、生チョコだ。食べていい?」


「…うん」


「…おいしー。好きな子の手作りってこんなに美味しいんだ」



頑張って作ったんだよ。

本当はいちばん無難な型抜きチョコにしようってギリギリまで思ってたけど、凛の言ったとおり秋斗くんは大人な感じがするから。


それでお洒落だから。

今だって、なんでそんなに私服お洒落なんだろうって。

なんでも着こなしちゃうなあって。



「…大好きだよ、青葉ちゃん」


「んっ…、」



チョコの味だ。
甘くて、ちょっとだけほろ苦い。

言わなきゃ……、彼に、言わなきゃ。


でも雨に濡れちゃったから、まずはシャワー浴びてもらってからのほうがいいかな。

着替えあったっけ、男の子の服…。



『服、…サンキュ』



そう言って、バスルームから上がってきた先輩。

そのときの声はすごく優しかった。
髪を拭きながら、少し目を逸らして。

だから私も恥ずかしくて逸らしてしまって。



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