キミの世界で一番嫌いな人。




「あきと…くん…っ!」



首筋にピリッと、微かな痛み。

ワンピースのボタンはパチパチと外されてゆく。

キャミソールが見えて、キスはもっともっと深くなった。



「───…、」



そのキャミソールまでも脱がされたところで、動きは止まった。


胸元にある、みみず腫のような傷跡。


目を見開いてる彼は何を思っているんだろう。

気持ち悪い?それとも可哀想?

ううん、私だって伊達にこの人の親友をやってたわけじゃないから。


あなたはそんなこと何も思ってないって、わかっちゃうんだ。



「先輩は、ヒーロー…、なんだ、」



ここに、あの人の心臓の一部が入ってる。


だから私は今こうして彼氏ができて、恋愛をして。

ごく普通に生きて、ごく普通のありふれた日常を過ごせている。




「私、───…先輩が……、好き…、」




罪悪感とか、罪滅ぼしとか。
もちろん最初はそうだったかもしれない。

それでもいつからかそうじゃなかった。


先輩が笑ってくれるなら、笑顔にできるならって。

そんな気持ちは私がそうしたかったから。
そうしなきゃだめ、なんじゃなくて。


そうしたかった、から。



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