キミの世界で一番嫌いな人。




「あ、れ……?…アッキぃ…、なんかね、俺の前にね、…誰か向かってくる、」



ボロボロで、血だらけで。

親友の仇討ちが何だったのかを一瞬にして理解してしまった。



『理久って俺たちくらいしかトモダチいないじゃん?だから、卒業祝われに自分からそっち行ったんだ』


「…なに、それ、……アッキー…、先輩が生きてる…、」


『───…お前が救ったんだよ、チビ』



“理久”って、いつからそう呼ぶようになったの?

アッキーあんなにも恨んでたのに。


今はそんなこと微塵も感じさせないくらいに優しい声してるの、知ってる…?



『また春休みこっちおいでよ。一緒にもんじゃ食べよ、もちろんお前の奢りで』


「うんっ…!ありがとアッキー…!」



電話はピッと切れた。

そして今度は違う男が私の前に現れる。


手術をして、私の血を分け与えて。
それから彼の顔は見ていなかった。

昔のように麻酔で眠る寸前に見た、反対方向に寝ている彼だけは覚えている。



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