独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
「実は、今日は全然仕事のことじゃないんです。もしよかったら、合コンに参加してもらえないかな~なんて思って」
……わーお、そんなくだらない用事でこのくそ忙しい脳神経外科の医局に?
若干の苛立ちを感じつつも、私には関係ないしと淡々とキーボードを打つ。
「合コン? あ~いや、そういうのはちょっと」
「ちなみに、俺じゃダメなの?」
難色を示す小田切先生と対照的に、なぜか乗り気の蓮見先生が尋ねる。
「ごめんなさい、今回の合コンは四十歳以下限定で……」
「なんだ~残念。なら仕方ない。小田切、行ってこい」
「え? いや……俺は」
「お願いします先生! イケメンの敏腕外科医を連れていくって、友達に話しちゃったんです!」
黒瀬さんが、しつこく小田切先生に迫る。彼の顔を見なくても、困っている様子が容易に想像できた。
……ああもう、気になってオペ記録どころじゃないでしょうが。
私はすっくと立ちあがり、休憩スペースまでずかずか歩いて行くと、小田切先生と黒瀬さんの間に割り込んだ。