独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する

「小田切、先生……」
「朝までアイツとどこにいたの? ホテル?」
「まさか、そんな場所行くわけありません……!」

 本気で私を疑っているの?

 問いかけるように彼をジッと見つめていると、勝手に涙が滲んでくる。

「なら、確かめさせてよ。他の男の手が触れていないか」
「確かめるって、どうやっ……んっ」

 彼の大きな手が、服の上から体のラインをなぞるように動き、びくっと体が震える。その反応を見た彼は、片側の口角を微かに上げて微笑む。

 それから、ちゅ、と柔らかいキスをした後で、そっと誘うようにささやいた。

「……見せて。体の隅々まで、全部」

 獰猛な熱をはらんだ彼の目を見れば、これから起こることは嘘でも冗談でも、そして〝練習〟でもないというのは明らかだった。

 私たちを包み込む空気が甘く濃密な気配を帯びていき、心臓がはち切れんばかりに暴れる。

 当然、心の準備など整っていない。けれど、彼だってきっと限界なのだ。

 勇気を出してすべてを晒すことで、胸の奥にくすぶる不安や焦り、それに、彼への想いがこんなにも膨らんでいることが、伝わるのなら……。

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