独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する

 思わずぽうっと見惚れていたら、ズボンの前をくつろげた純也が、避妊具を開封して着け始めた。

 医者のくせに、男性の体についてすこぶる無知な私は、ついジロジロ見てしまう。純也がその視線に気づき、はにかんだように笑った。

「なんだよ、そんなに見て。もしかして生がよかった?」
「べ、別に……」

 というか、私には生とそうでない違いなんて、わかりませんけど……。

 心の中でそう呟いていると、純也が再び私の上に覆いかぶさり、頬にチュッと優しくキスをして言う。

「一応、お互いの家族に子どもを期待されてはいるし、俺だっていつかは欲しいと思う。でも、もしも今赤ちゃんができたら、愛花は今まで一生懸命やってきた研修が中途半端になる。それは本意じゃないだろ?」
「……確かに」

 半年以上研修が中断したら、その長さによって、一年単位で延長となる。脳外科医の認定をとるまでの道のりが、かなり遠ざかってしまうのだ。

 純也はこんな時でも、ただただ欲望に流されるだけじゃなく、冷静に私の将来を考えてくれていたんだな……。

 彼の愛の深さを知り、じんわりと胸があたたまる。

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