独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
「あの……そろそろ、ベッドから出ない?」
「やだ。っていうか、また欲しくなってきたし」
「えっ。ちょっと、私、まだ体が回復してない……っ」
胸元をまさぐりはじめた彼に異を唱えていたその時、ヘッドボードで純也のスマホが鳴った。
ぴたりと動きを止めた彼は、「嫌な予感……」と眉を曇らせつつ、手を伸ばしてスマホを手に取る。
「はい、小田切です。……ええ。わかりました、すぐ向かいます」
その真剣な話し声で、病院からの呼び出しだとすぐにわかった。
短い通話を終えた彼は、乱れた髪をかきあげ、一度深呼吸。次の瞬間にはもう〝医者〟の顔になっていて、ベッドに私を残したまま自分はそこを抜け出して立ち上がる。
「病院近くの建築現場で事故があったらしい。頭部外傷で意識障害のある患者さんが運ばれてきた。今は救急が対応してるけど、俺にも来てほしいって」
「意識障害……急性硬膜下血腫の可能性が高いですね」
「ああ。すぐにオペだな」
「私も行きます!」
自分が裸であることも忘れ、慌ててベッドから下りた、その時。