独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する

「きみたちだけでなく他のドクターもなんだが、脳外の連中は普段からろくに休んでいないだろうと、院長に指摘されてね。蓮見先生が倒れた件もあるし、今、労働環境の改善を目指して、この脳神経外科にドクターを増やそうとしているところなんだ。で、さっそく来月の連休明けにひとり来てくれることになったから、そのタイミングでまずは、新婚さんであるふたりに休暇を取らせようと思ってね」

 舟木先生はからかうように言って、口元にかすかな笑みを浮かべる。

 上司からの指示なら逆らうわけにはいかないが、ふたりで一緒に何日も休むなんて、本当にいいのだろうか。忙しいのに慣れすぎているので、理由もないのに休むのは罪悪感を覚える。

「ほかの先生方で、先に休みたいという人はいなかったんですか?」

 純也が尋ねると、舟木先生は「ああ」と頷いた。

「むしろ、一番にきみたちを休ませて、新婚旅行でも行かせてやってくれってさ」

 私と純也は、思わず顔を見合わせる。

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