独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する

「なぁに?」
「決まってるじゃん。愛花の誕生日を祝う」
「えっ。……なんで知ってるの?」

 したり顔の純也を、私は怪訝な顔で見つめた。

 本当に偶然なのだが、与えられた休暇の四日目、五月九日は私の誕生日。しかし、純也に話したことはないはずだ。

「婚姻届に書くだろ、生年月日。それ見て覚えてた」
「そっか、婚姻届……。でもごめん。私は全然純也の誕生日覚えてない」

 ハッとして謝ると、純也がわざとらしく頬を膨らませる。

「ひどい。拗ねちゃうよ、俺」
「ごめんってば。私もお祝いしたいから、教えて?」
「十月三十一日。ハロウィン生まれなの、俺」

 得意げに説明され、思わず目を丸くした。

「そうなんだ。覚えやすい!」
「だからかなぁ……」

 妙に吐息交じりのセクシーな声で彼が言いかけ、ドキ、と胸が鳴る。次の瞬間、やわらかなキスで唇を塞がれ、彼の手が胸のふくらみに伸びてきた。

「ちょっ……」
「甘いものも、悪戯も、大好きなんだよね」

 艶かしい囁き声で私の鼓膜を揺らした彼は、お湯の中で私の胸を弄ぶ。最近はこうして純也に触れられることにも慣れ、恥ずかしくても素直に心地よさを受け入れるようになった。

 そうするにつれ、自分の体が日に日に敏感になっていくのも感じる。

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