独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
「俺、海が見たいな。東京湾じゃない」
向かい合って食事をしながら、旅行の行き先について純也が話しだす。
「近場だと……相模湾?」
「だな。熱海とか湯河原とか」
「いいね。温泉も入れるし」
旅行の計画を話しているだけで、胸がワクワクする。私は本来出不精なのだが、純也と一緒ならどこへ行っても楽しめそうな気がした。
色々話し合った結果、休暇中は初日がお墓参り。翌日から二泊三日で、湯河原と熱海への温泉旅行。そして最終日に、小田切総合病院で脳ドッグを受けるというプランに決定した。
その間は、試験勉強やオペの練習がほぼできないので、休み前までの私は遅くまで病院に残って仕事や勉強に明け暮れ、休暇に向けての準備を着々と進めていった。
そして迎えた休暇初日。朝は遅くまで眠って、軽く食事を済ませてから、私と純也は実家近くの公園墓地を訪れた。
見事な五月晴れが広がった空の下では、犬の散歩をする人がいたり、芝生にレジャーシートを敷いてお弁当を食べる家族連れがいたりと、のどかで開放的な墓地だ。