独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
部屋に戻ると間もなく食事が運ばれてきて、海鮮を中心とした豪華な会席料理に舌鼓を打った。純也は少しお酒を飲んで、上機嫌。私はオレンジジュースだけれど、楽しそうな純也につられて、ずっと笑っていた。
「はー、満腹」
「ホントだね。私、アワビの踊り焼きって初めてだった。あんなに派手に踊るんだ」
食後は庭に面した窓を開け、ふたりで縁側に腰掛けまったりと他愛のない会話をする。
「アワビ的には、熱くて悶えてるんだけどな」
「残酷なこと言わないでよ」
「大丈夫。美味しく食べてもらえて成仏してるよ」
彼の自分勝手な解釈にクスクス笑って、空を見上げる。東京で見るよりずっと多くの星が瞬く澄んだ夜空が、とてもきれい。
「純也といると、当たり前のことに感動するなぁ」
「うん?」
「ごはんが美味しいとか、夜空の星がきれいとか」
純也は穏やかに笑って、私の頭をぽんぽんと優しく叩く。
「俺も同じ。たぶん、それが人を好きになるってことなんだよ」
「そっか……。じゃあ私たち、相思相愛だ」
ニコッと微笑んだら、愛し気に目を細めた純也が顔を近づけてきて、唇に触れるだけのキスをした。