独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
ぼんやりそんなことを思いつつ、時折血圧や心電図をチェックしていると、やがて彼女の家族が三人そろって駆けつけた。
帽子とガウン、マスクを身につけて入ってきた三人が、俺の姿を見て頭を下げる。
「小田切くん。愛花を助けてくれて、ありがとうな……」
始めにお祖父さんが目じりを下げてそう言ってくれたが、俺は首を横に振った。
「……いえ。俺がもっと早くに検査を勧めていれば、こんなことには」
俯きがちに告げた俺に、お父さんが優しく言い聞かせる。
「それでも、助けてくれたことに変わりはないよ。……もしも愛花まで奪われていたら、私は本当に立ち直れなかったと思う」
「お父さん……」
そうだ。この人たちは、二度も大切な人を失っているのだ。愛花が倒れたと連絡を受けた時には、計り知れないほど不安だっただろう。
「姉ちゃん、いつ頃目が覚めますか?」
颯くんに聞かれて、俺は壁の時計を見る。そろそろオペが終了して一時間が経つ。麻酔医に聞いた話では、そろそろ覚めるころなのだが。