独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する

 そして平和に日々は過ぎ、翌年の夏。愛花が小田切総合病院の脳神経外科で研修を始めてから四年が経過し、彼女は専門医認定試験の受験資格を得た。

 今まで、誰より必死に努力してきたんだから大丈夫。そう言って二日間の試験に彼女を送り出したが、本音は心配で仕事中も気が気ではなかった。

 しかし、きちんと準備をして臨んだ試験だからか愛花は意外と落ち着いていて、筆記試験も口頭試験もそつなくクリアし、晴れて俺たちと同じ、一人前の脳外科医になった。


「あ~……今日もオペびっしりで疲れた……」

 そんなある日、一緒に帰宅してリビングに入るなり、愛花はソファに倒れ込む。

 試験に受かったからと言って、一朝一夕にオペの技術が向上するわけではない。なので、愛花は経験したいオペ、難しい症例のオペなどにはできるだけ自分を入れてもらうよう舟木先生に頼んでいて、最近は俺以上にシフトがオペだらけだ。

 休日には来年の春に予定している結婚式の準備も着々と進めているので、かなり疲労がたまっているだろう。

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