独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
でもまぁ、クールな愛花先生は基本そういう飲みの席には不参加だから、いくら知り合いの頼みでもきっと気持ちいいほどバッサリと――。
「そうだね、旭が来るならちょっとだけ顔だそうかな」
……なに? 行くの? しかもなんでソイツ、名前呼びなわけ?
「やった~。楽しみにしてますね!」
「はいはい。浮かれてないで、ちゃんと仕事しな」
彼女ははしゃぐ西島を呆れたようにあしらっていたが、俺の目にはふたりの間に深いつながりがあるように見えてしまい、非常に面白くない。
俺はナースステーションを離れて歩き出した彼女にわざと足音を殺して近づくと、背後から恨めしげに声を掛けた。
「……浮気だ」
「わっ……! なんですか小田切先生、脅かさないでください」
びくっと肩をすくめた彼女のかわいい姿にしめしめと思いつつも、俺の不機嫌はまだ直らない。口を尖らせて、素直な気持ちを告げる。
「だって愛花先生がほかの男と仲良くするから」
「ほかの男……? ああ、もしかして旭ですか?」
俺は白衣のポケットに手を突っ込み、仏頂面のままで頷いた。