独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する

「旭はそういうのじゃありませんよ。ただ家が近所で、弟とも同級生なので……なんというか、家族の延長みたいな感じです」
「……ふうん」

 だからあんなに親しげだったわけか……。

 ふたりの間柄はわかったが、腹の虫はまだ収まらない。

「行くの? 歓迎会」
「まぁ一応……顔を出そうかと」
「じゃ、俺も行こうっと」
「えっ」

 愛花先生は眉根を寄せ、あからさまに嫌そうな顔をした。その反応に、ますます神経を逆撫でされる。

「なに? 俺が行くと困るの?」
「困るというか……。もしも会の最中に、結婚とか、恋愛とかの話題になったら、どうやって切り抜けたらいいのか……」
「俺はうまくやる自信あるけど? ああ、愛花先生は態度に出ちゃいそうで怖いのか」

 そう言って、挑発するような視線で彼女を見下ろす。愛花先生はわかりやすくムッとして、俺を睨みつけながら言った。

「別にそういう訳じゃありません! 参加したいならどうぞご自由に。でも絶対みんなの前で、私たちの関係がバレるような言動は控えてくださいね」
「はーい」

 了解したふうに返事をしつつ、内心「どうしようかなぁ」と思っていた。

 俺たちのことをあえて暴露しようとは思わないが、匂わせるような発言で彼女を慌てさせたり、からかったりするもの面白そうだ。

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