独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する

「……っ! 私、誘ってなんか……!」

 強気だったはずの彼女の瞳が、怯えたように揺れる。潤んだ黒い瞳は、まるで追い詰められた小動物が、必死で命乞いをするよう。

 ……そんな目をされたら、余計にいじめたくなるって。

 すっかり肉食獣と化している俺は、かわいい獲物の耳もとにそっと囁く。

「ここ、誰もいないけど一応外だし……あんまり声は出さないようにね?」

 そして彼女の顎を掴んで上を向かせ、先ほどナースたちにも自慢した、ふっくらとした桜色の唇を、自分のそれでふさいだ。

「んっ……」

 驚きと緊張で固く引き結ばれた唇を溶かしてやるように、啄むような優しいキスを繰り返す。

 そのうち、微かに緩んだ唇の隙間を見つけると、舌を滑り込ませ、彼女の口内をじっくりと味わった。

「は、ふ……ん」

 愛花先生は頑張って堪えているのだろうが、時折あえぎに似た声が漏れ、それがたまらなく色っぽくて、かわいい。

「ダメだよ、声出しちゃ」
「だ、だって……小田切先生が……っ」

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