独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する

「しつこくアプローチすることだな。デートに誘うとか、食事に誘うとか。あとはもう、実力行使。隙あらばキスする。押し倒す」
「なるほど~。ありがとうございます! 僕、頑張ってみます!」

 なっ……なるほどじゃないだろ! そんな適当なアドバイス真に受けて頑張るな!

 蓮見先生、なぜ西島を焚きつけるようなことを……!

「おい、小田切」

 つい険しい顔になりながらビールに口を付けていた俺の肩に、半笑いの蓮見先生がぽんと手を置く。

「怖い顔してどうした? お前にはかわいい奥さんがいるんじゃなかったのか?」

 完全に面白がっている目つき、にやりと歪んだ口もと。

 この人……俺と愛花先生の関係に勘付いていてわざと……?

 男女の機微には敏感な蓮見先生なので、これ以上彼の前でぼろを出さないように、俺は席を立った。

「別に。……俺、もう帰ります」

 そう言い残し、部長にだけちゃんと挨拶をしてから個室を出ようとすると、ひとりのナースががしっと俺の腕を掴んで引き留めた。

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