世界でただ一人のヒーラーは生殺与奪を握ってます。
 アリシアは水を入れた小瓶を両手で包み込むようにして、瞳を閉じる。意識を小瓶に集中すると小瓶は淡い光に包まれた。透明だった水が青く変色する。ポーションの完成。ヒールのような回復量はないが傷口を塞ぐ程度の回復量はある。エルザも常に持ち歩いているが、アリシアから融通されるのではなく、常に購入している。アリシアに言えばいくらでも融通されるだろうが、エルザは常に購入していた。

 アリシアにとっての収入源でもあり、冒険者とアリシアを繋ぐアイテムだと思っている。
「いつ見ても綺麗な光だ」
エルザは小瓶の光り輝く様子を見て言った。
「・・・エルザの深紅に光り輝く魔法も綺麗です」
言われてアリシアは返す。

 10本程度のポーションを作り終えるとアリシアは疲労の色をみせる。肉体疲労というより精神的疲労。日もすっかり落ちていた。アリシアはポーションを箱に詰め終わると、エルザの方を向いて、そろそろ夕ご飯にしましょうと言った。
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