世界でただ一人のヒーラーは生殺与奪を握ってます。
 アリシアが用意した夕ご飯はスープだった。具材としてジャガイモに人参それから牛肉が少し入っていた。エルザは始めアリシアの料理に警戒していた。こんな山の湖の畔で一人暮らしするような子がどんな料理をだすかのと、出てきた料理が余りにも普通すぎて驚いた。少量とは言え肉を入れたのはアリシアがエルザの体調をきずかってのことだろう。

 二人は黙々と食す。それはウェルビンの教えだった。食事を楽しむというよりもただの栄養補給としか思っていない。そう育てられた。しかし、家族でとる久しぶりの食事に二人の頬を緩やかに見える。食事を終えてからエルザが出発の意を示すとアリシアは心の内に秘めていたことを話した。
「エルザ・・・今回の依頼は不可解です。魔物がそんなに多く群れで行動を共にしているのなら、一パーティに任せるような事はしないはずです、せめて複数のパーティーに依頼をするはずです」
アリシアがそう言うとエルザはした唇に指を添えて考えこむ。
「ギルドに依頼した時にはまだ少数の群れだったという事も考えられる」
エルザは考えられる一つの案を口にした。しかしそれはそれで大変な事を意味していた。
「・・・誰かが魔物を一ヶ所に集めているという事ですか・・・」
< 66 / 73 >

この作品をシェア

pagetop