水曜の夜にさよならを
何かを始めれば、いつかその終わりは来る。ここで猫なんて拾わなければよかった。そんなことを考え始めると、幸せそうに眠るムギの姿が思い浮かんで、堪らない気持ちになってしまった。
手のひらのスマートフォンが震えて、画面に目を落とした。
『予定早く終わったから、今日は顔出すわ。今どこ?』
直哉からのメッセージだ。直哉が来ない、といつもあれだけ言っていたのに、わたしはなぜかがっかりしていた。
『ねこの公園にいる』
『は? なんで(笑)』
『もうやめたから。ねこの会』
それっきり連絡はなかったが、十分くらいしてコンビニの袋を提げた直哉が来た。会うのはしばらくぶりだけれど、再会を喜ぶ気力が湧いてこなかった。
直哉はわたしの隣に座って、真ん中に缶ビールが六本入った袋を下ろした。
「よーお、ねこ娘。いつもの元気はどこいった」
「わたしビールじゃないのがよかった。いつもレモンサワーだよ」
「そうだっけ? つうか、どうしたのよほんとに。樹とケンカでもした?」
わたしの手に無理矢理缶ビールを押しつけて、直哉は早速飲み始めた。心配してくれてはいるようだけれど、相変わらずだ。
手のひらのスマートフォンが震えて、画面に目を落とした。
『予定早く終わったから、今日は顔出すわ。今どこ?』
直哉からのメッセージだ。直哉が来ない、といつもあれだけ言っていたのに、わたしはなぜかがっかりしていた。
『ねこの公園にいる』
『は? なんで(笑)』
『もうやめたから。ねこの会』
それっきり連絡はなかったが、十分くらいしてコンビニの袋を提げた直哉が来た。会うのはしばらくぶりだけれど、再会を喜ぶ気力が湧いてこなかった。
直哉はわたしの隣に座って、真ん中に缶ビールが六本入った袋を下ろした。
「よーお、ねこ娘。いつもの元気はどこいった」
「わたしビールじゃないのがよかった。いつもレモンサワーだよ」
「そうだっけ? つうか、どうしたのよほんとに。樹とケンカでもした?」
わたしの手に無理矢理缶ビールを押しつけて、直哉は早速飲み始めた。心配してくれてはいるようだけれど、相変わらずだ。