水曜の夜にさよならを
冷え切った頭がほしいのに、一週間経っても熱は冷めず、時間だけがさらさらと流れていく。翌週の水曜日、もしかしたら樹の気が変わるかもしれないと思ったが、連絡はなかった。もう一週我慢して、わたしは樹にメッセージを送った。
『樹、元気? 今日の夜、暇じゃないよね?』
『ごめん。仕事が終わるのかなり遅くなりそうだから』
つれない返事にも懲りず、翌週も誘ってみたけれどだめだった。理由は同じ。かなり遅くなりそうだから、だ。これまで何年も樹が水曜日の夜に来なかったことはない。だからきっと会えない理由は、会いたくないから、だ。
水曜の夜、真っ直ぐ帰るのが寂しくて、わたしは公園のベンチで時間を潰している。
知らないうちに嫌われるようなことを言ってしまったのかもしれないと、樹のメッセージを遡ってみるけれど、待ち合わせで交わしていた数行のやりとりばかりしか残っていない。いつも会って話すのが当たり前だったからだ。
もうわたしと会うつもりはないのだろうか。これまでのことを思い返していると、じわりと視界が滲む。
『樹、元気? 今日の夜、暇じゃないよね?』
『ごめん。仕事が終わるのかなり遅くなりそうだから』
つれない返事にも懲りず、翌週も誘ってみたけれどだめだった。理由は同じ。かなり遅くなりそうだから、だ。これまで何年も樹が水曜日の夜に来なかったことはない。だからきっと会えない理由は、会いたくないから、だ。
水曜の夜、真っ直ぐ帰るのが寂しくて、わたしは公園のベンチで時間を潰している。
知らないうちに嫌われるようなことを言ってしまったのかもしれないと、樹のメッセージを遡ってみるけれど、待ち合わせで交わしていた数行のやりとりばかりしか残っていない。いつも会って話すのが当たり前だったからだ。
もうわたしと会うつもりはないのだろうか。これまでのことを思い返していると、じわりと視界が滲む。