水曜の夜にさよならを
どうして樹のことだけは、仕方ないと諦めきれないのか。会ってくれないことに悶々としながら、後悔ばかりする日々から一歩抜けると、ようやく見えてくる。
わたしは他人の気持ちどころか、自分のことにすら鈍感だ。きれいになろうと思ったのも、どうしてもまた会いたいと思っているのも、樹のことが好きだからだ。
これまではデートや趣味の邪魔になるかもしれないと、週の真ん中に予定を組んでいたけれど、樹の予定さえ空いていれば、土日の方が体の負担にはならないかもしれない。
金曜の夜、直哉を無理矢理呼びつけて、肌の状態をチェックしてもらってから、わたしは樹にメッセージを送った。断られるのを覚悟の上だったけれど、あっさりオーケーの返事がきた。
待ち合わせはいつもの居酒屋の前。蒸し暑さも通り過ぎ、夜風は心地よくなり始めているというのに、わたしは手のひらに汗をかいている。
樹は時間ちょうどにやってきた。前に会ったときから何か変わった気がする。髪が短くなった。少し痩せたかもしれないけれど、目の下にこびりついていたクマはなくなってる。
あのときはやっぱり疲れ果ててたんだ。気がつくと水曜日、会わない時間を作ったことも良かったと思えた。
わたしは他人の気持ちどころか、自分のことにすら鈍感だ。きれいになろうと思ったのも、どうしてもまた会いたいと思っているのも、樹のことが好きだからだ。
これまではデートや趣味の邪魔になるかもしれないと、週の真ん中に予定を組んでいたけれど、樹の予定さえ空いていれば、土日の方が体の負担にはならないかもしれない。
金曜の夜、直哉を無理矢理呼びつけて、肌の状態をチェックしてもらってから、わたしは樹にメッセージを送った。断られるのを覚悟の上だったけれど、あっさりオーケーの返事がきた。
待ち合わせはいつもの居酒屋の前。蒸し暑さも通り過ぎ、夜風は心地よくなり始めているというのに、わたしは手のひらに汗をかいている。
樹は時間ちょうどにやってきた。前に会ったときから何か変わった気がする。髪が短くなった。少し痩せたかもしれないけれど、目の下にこびりついていたクマはなくなってる。
あのときはやっぱり疲れ果ててたんだ。気がつくと水曜日、会わない時間を作ったことも良かったと思えた。