水曜の夜にさよならを
「ねこの会に来られなくなったやつも、みんなちゃんと飼い猫を大事にしてるし。おれもモナカをこの先もずっと可愛がるし。もうそれでいいんじゃない?」
「どうしたの、急にそんな」
わたしは何を言ったらいいのかわからなくて、口ごもった。
「直哉もこの先わからないし、二人だけでずっと猫の会は続けてはいけないだろうし。おれたちもう二十七だよ。どこかで区切りは必要だと思う」
用意してきた台詞を読み上げるように、樹は淡々と言う。
「じゃあ公園のパトロールは? ずっと続けてきたのに」
「おれがときどき見ておく。美晴、夜はもう大人しく寝なさい。ここ何ヶ月か肌荒れがやばい。仕事も忙しいみたいだし、水曜の夜くらいゆっくり休んで」
穏やかな口調だったけれど、樹の決心は揺らぎそうになかった。
「わかったよ。じゃあ今日で解散ね。樹もちゃんと寝るんだよ」
わたしは「おやすみ」と空元気で手を振って、樹に背を向けた。
「どうしたの、急にそんな」
わたしは何を言ったらいいのかわからなくて、口ごもった。
「直哉もこの先わからないし、二人だけでずっと猫の会は続けてはいけないだろうし。おれたちもう二十七だよ。どこかで区切りは必要だと思う」
用意してきた台詞を読み上げるように、樹は淡々と言う。
「じゃあ公園のパトロールは? ずっと続けてきたのに」
「おれがときどき見ておく。美晴、夜はもう大人しく寝なさい。ここ何ヶ月か肌荒れがやばい。仕事も忙しいみたいだし、水曜の夜くらいゆっくり休んで」
穏やかな口調だったけれど、樹の決心は揺らぎそうになかった。
「わかったよ。じゃあ今日で解散ね。樹もちゃんと寝るんだよ」
わたしは「おやすみ」と空元気で手を振って、樹に背を向けた。