第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
嫌ではない。だが、色々と限界だ。
この間まで自分の気持ちの正体すらハッキリとわかっていなかったアリシアは、実際の恋愛に関して言えば、初心者中の初心者。
前世の少女漫画、今世のロマンス小説で得た知識は、他人の恋愛へアドバイスするのに役立つことはあったかもしれないが、自分のことになるとまるで役立たない。
「今の状況に、頭が追いついていない感じ、です……」
「すまない。少し焦りすぎてしまったか」
イルヴィスは苦笑して、顔を離した。代わりにアリシアの髪をそっとすくい、唇を落とす。
「ようやく想いが通じたのが嬉しくて、少々抑えが効かなくなっていた」
「……一つ、お聞きしてもいいですか?」
前から感じていた違和感。何となく聞きそびれていたが、この際聞いておきたいように思った。
「わたしが殿下……イル様と初めて顔を合わせたのは、例の妃探しを兼ねたお茶会のとき……ではないんですか?」
恐らく意識しているわけではないのだろうが、彼は時々、まるでもっと前からアリシアのことを知っていたかのようなことを言う。
今の発言もそうだ。『ようやく』。その言い方に違和感が強まった。