【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
再び社長室に戻ってきたとき
社長デスクのにある本棚から、一冊のファイルが今にも落ちそうになっているのが目に飛び込んできた。
そのまま歩み寄り棚に押し込もうと手を伸ばすと、
「――お待たせ」
「――っ!」
スッと後ろから伸びてきた手が、先にファイルを押し込む。
何度か抱きしめられた逞しい胸が背中から伝わり、ドキっとした。
「このファイル重いから自然と落ちてくるんだ。ありがとう」
「それ何か資料ですか? とても分厚いファイルですが」
本棚の中にいくつかあるファイルのうち、ひとつだ分厚いクリアファイル。
今にも中身が破裂しそうなそれがとても気になった。
じっと見つめている私に、社長は黙って差し出す。