【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「会うのはたまにでいいとか言っておきながら、もう会いたいなんて言われて、困ったでしょ。予定もあっただろうに」
まるで自嘲するようにも聞こえた。
「⋯⋯それは大丈夫ですが、何かありました?」
碧色の宝石は、なにかに燃えているようにも見える
浮かない表情の奥に何を秘めているのかを伺うようにじっと見つめていると、
社長の繊細な指先が私の顎を掬い上げて、ゆっくりと上半身を屈めて顔を近づけてきた。
「――っ」
思わずギュッとまぶたを閉じて、背筋をピンと伸ばす私。
しかし、唇に息遣いが触れたところで
「――⋯⋯アルコールの香り」
そうつぶやくと、社長はすんなり身体を離した。
てっきりキスをされるかと勘違いした上、瞼まで閉じてしまった私は羞恥に赤くなる。
「⋯⋯開発のグループメンバーで飲んでいたので。すみません。」
咄嗟に謝ってしまってしまうと、
「⋯⋯そう」
そう言うなり社長は、少しだけ乱暴に私の腕を引いて夜道を進み出した。