【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―

「⋯⋯違うんです。別になにもありません。ちょっと考えことしてただけで――⋯⋯」


苦し紛れな言い訳は、ゆっくりと寄せられた美術品のような顔に遮られる。

慈しむように触れた、瞼へのキス、そして流れる涙にひとつ。


社長⋯⋯?


いつの間にか眼鏡は外されていて、大きな手で優しく頭を抱えると、唇は涙の触れた場所へと移動して入念に唇を滑らす。


なんで⋯⋯こんなこと。


くすぐったいのに、温かくて、優しい。

ひとつひとつのキスが丁寧で、自分が価値のあるものになったのかと勘違いしてしまうようなキス。


「社長⋯⋯」


名前を呼んでも返事はなく、その行為は無言で行われた。

瞼へ、目尻へ、頬に、そして眉間に、額に

何度も、何度も。
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