【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
冷え切った心にあかりが灯りはじめたころ、
ゆっくりと金色の睫毛が離れてゆき、社長は苦しそうに息を吐き出した。
「⋯⋯ほんと情けない⋯⋯」
胸ポケットから出した眼鏡を私の目元に乗せて、髪を撫でる。
「どうして――」
色々聞きたかったけど、その表情があまりにも切実で思わず口を引き結んでしまった。
言葉にしかけた私を見て、一度フッと顔を綻ばせた社長は、何を思ったのかそのまま私の膝裏に手を差入れて立ち上がった。
「え⋯⋯ちょっと⋯⋯?!」
バランスを崩し、咄嗟に社長の肩に手を置いた。思ったよりも厚くてドキっとする。
そして困惑している私を置いてけぼりに、社長は去り際にコンシェルジュに車の出庫の中止を伝えると、エレベーターへと乗り込んだ。