【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「ま、待って下さい! どこに⋯⋯」
身体をねじって腕から降りようとすると、力強く抱え直される。
まるで降りるのは許さないと言わんばかりのそれに、私は大人しくすることしかできなかった。
「⋯⋯このままは帰せない。まだ出発まで少し時間あるから、少しうちで話そう」
「う、うち?」
「そう。ここに住んでるんだ」
何となくわかってはいたけど、やっぱりこの高級物件に住んでる。
そして、腕から降りれないところで私の返事なんてひとつしかない。
グシャグシャになっていた頭の中は、思わぬ自宅訪問によって一気に塗り替えられてしまいそうだ。
ドキドキをひた隠しにしながら、彼の整った顔を下からじっと見つめてしまった。