【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「どうぞ」
キョロキョロしていると、ダージリンの香りを漂わせながら戻ってきた社長が、ガラステーブルにカップを並べてくれた。
「ありがとうございます」
「いいえ」
まだ少しぎこちない笑顔の漆鷲社長は、私の隣にゆっくり腰を下ろすと、思い悩むように視線を下方に向けた。
私はそっと淹れてもらった紅茶に口を寄せながら、その横顔を盗み見る。
憂いを帯びたその顔は美しさに極みがかかっていて、じっと見惚れてしまいそう。
どうしたんだろう。
いつもなら沈黙が気にならないのに、今はとてつもなく落ち着かない。
そう思いつつも、思考が目まぐるしく行き交っているようにも見える姿に何となく声がかけらなくて
私は何度も紅茶に口を運びながら眺めていた。