【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―

その途端、社長は、雷に打たれたように動きを止めてしまい、じっとこちらを見たままピクリとも動かなくなった。

まるで石化したかのように、瞬きすらもせず、碧色の瞳をカッ開いて、大真面目な表情。

まるで審議でもしてるようだ。


ど、どうしたの⋯⋯?


逃げようにも、半分のしかかられている上に、身体を肘のみで支えている、非常にアンバランスで体力的に厳しい状態。

社長が退いてくれないと動くこともままならない私は、腕と腹筋に力を入れて、じっとその姿を見守っていた。

すると、じきに呪文や念仏のようなものが聞こえてきて


「――耐えるべきか――⋯⋯いや途中までなら―――いやいや、信用を――」


ぶつぶつ言ってる。


「――そろそろ島田も――⋯⋯だよな――――うん――――」



えっと⋯⋯この態勢もそろそろ限界なんですが。

でも、このままだと、なかなか終わる様子がないし。


「⋯⋯あの社長?」

「――あぁ ごめん」


勇気を出して声をかけると、我に返った社長は優しい笑顔を見せて、私の頬をすりすりと大きな手で撫でてくれた。

そして、ふんわりとしたブロンドヘア―をキラリ⋯と後ろへ流しながら、
< 203 / 489 >

この作品をシェア

pagetop