【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
白い顎髭に、彫りの深い顔立ち。
目はきりっとしていて、80代には見えない高身長はブラックスーツを美しく着こなしている。
そして会長の隣には、私の慌てぶりを見て口元を歪める永斗さん。
完全に笑ってる。
は、恥ずかしい⋯⋯。
『真島さん⋯⋯おめでとう。
この度、園部くんと僅差ということもあり、なおかつわたしの強い希望で表彰をさせてもらった。
残念ながら商品化は無いんだが⋯⋯これは、わたしからの礼だ。いい商品をありがとう』
会長は小声でそう囁くと、目元を優しげに緩めて
賞状と、十センチ四方の箱を記念品として授けてくれた。
お礼⋯⋯?
私は、会長の心に響くような商品を作れたってこと?
『ありがとうございます』
会場は、今日一番の歓声に包まれたのだった。
永斗さんに授賞は捧げられなかったけど、
ほんとうに素敵な瞬間だった。
『おめでとう、来美』
去りぎわにこっそり囁いてくれたし――