気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
部屋は全体が黒!
壁も黒、コの字型に配置されえたソファーも黒の皮張り、床も黒の大理石。
天井を飾るシャンデリアさえ、キラキラの黒!
黒、黒、黒・・黒のオンパレードだが、質感の違いを上手く組み合わせて
いるから、センス良いお洒落な空間になっているのが、何か悔しい。

そして、フロアー側がマジックミラーになっていて、そこからフロアー全体
が見渡せるようになっていた。


アイツこと黒瀬 蓮は定位置になっているであろうスペースに腰を下ろすと
私の手を引いて隣に座らせた。

向かいのソファーに座った鳴井恭が、「玲ちゃんは、何飲む?」と言いながら
黒に金字のドリンクメニューを手渡す。

「ジントニックで・・。」
「了解!」

そう言うと、壁に掛かったインターホンで
「ジントニックとビール2つ。料理も運んで。」と注文する。

注文して直ぐに、ドアをノックする音が聞こえ、ウェイターがドリンクを
テーブルに置くと静かにテーブルから離れる。

「じゃあ、玲ちゃんの初VIPを祝して、乾杯!」

にこやかに言う鳴井恭に対して、黒瀬蓮は「・・・・。」
私は「・・・乾杯」と、小さめの声で言ってみた。

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