気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
ジントニックを一口飲むと、再びドアがノックされ料理が運ばれてきた。

サラダ、パスタ、ステーキにピラフにカプレーゼ、チーズの盛り合わせに
マリネ・・・一体、何品くるの?

テーブル一杯に並べられた料理に ‟今日は何かのお祝いですか?” と
聞きたい気持ちをグッと我慢した。

「・・食え。」

「オイ!また、一言かよ!」と喉元まで出かかった言葉をグッと堪え、
「・・・頂きます。」と言って料理に手を伸ばした。

期待していなかった料理は、思いの外美味しかった。

隣に座る男は、相変わらず無言のままグラスを傾けていて、一体こいつは
何がしたいんだ・・私を呼ぶ意味あるの?

なんて疑問が浮かぶ。

それとは対照的に私を和ませようとしてか、場の空気を察してか向かいの
成瀬恭は笑みを絶やさず声を掛ける。

まあ、内容は私の趣味だったり、好みや休みの日、休日の過ごし方・・・。

私の事ばっかり・・・何か探られてる?

私は私で、当たり障りなく適当に答えてるけど・・・何なの?

でも、こうして誰かと食事するのは久しぶりで、何だかちょっとだけ嬉しい
って思う自分もいる。

相手はこいつらだけど・・・。

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