気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
それから学校の二人には動きがない。

もうすぐ放課後になる時間になると、再び私は学校に向かった。

校門が見えるカフェから眺めていると、浜田の姿が確認できた。

再び尾行開始だ。

浜田は、朝とは逆に駅から自宅への電車に乗る。
どうやら、真直ぐ自宅に向かうようだった。
予想通り自宅に入っていく浜田。

もの陰からジッと様子を伺っていると、30分程して私服に着替えた浜田が
姿を現した。

‟ さあ、ここからが本番だ!”

私は耳につけているピアスとスニーカーに手を触れた。


浜田は、この隣街の繁華街に向かっていた。

ここは・・・大西組の締める街。

不意に前を歩いていた浜田が、繁華街の少し手前で脇道に入っていった。
脇道を覗けば、浜田がその先の角を右に曲がる姿が目に入る。

足早に追いかけ、角を右に曲がるとそこには・・浜田と大西組若頭側近の
不破(フワ)の姿。

「ッツ!」

「ようこそ、CAT。」

「あら、大西組の不破さんがどうしてこんな所に?」

「どうしてだと思う?」

そう不破が言った直後、背後から男の低い声と拳が飛んできた。
すぐさま、身体を交わし拳を受け流すと蹴りを相手の蟀谷に向け放つ。
男はグラリとよろけ地面に崩れた。

< 29 / 104 >

この作品をシェア

pagetop