気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
「CATだと!?」

俺の眉間には皺が寄り、一気に殺気にも似たどす黒い物が湧き上がると同時
兄貴のスマホが鳴った。

「カラスからだ、埠頭の第三倉庫だ。行くぞ!」

兄貴の声に部屋にいた面々が素早く立ち上がり座敷を後にする。

気がつくと俺は兄貴の腕を掴んでいた。

「兄貴、邪魔はしない。俺も行く。」

一瞬兄貴は考える素振りを見せたが、俺の尋常ではない様子に何かを察知した
兄貴と親父が目で会話する。

「分かった。だが、見てるだけだ。
 組に関わってないお前が手を出すことは許さない。」

「あぁ、分かってる。」

本当は、俺がついていくことは許されないのは、頭では分かっていた。
だが、心がザワザワして身体が勝手に動いていた。

恭は、俺の気持ちを察してか心配そうに俺を見ている。

兄貴に頭を下げ、急ぎ付いて行く。



自分の車に戻ると、運転席に座る隼人(ハヤト)に恭が早口で行先を告げた。

「埠頭の第三倉庫。司さんの車について行け!」

「はい!」

車は隣町の埠頭に向けて走り出した。

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