気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
車の中、俺の殺気立つ様子に流石の恭も声を掛けられず、隼人は事情を
掴めないままに無言の時間が過ぎていく。

重苦しい空気の中、車が目的の埠頭に着いたのは黒瀬組本家を出てから
30分以上経ってからだった。

車から降りた俺は、走り出したい気持ちを我慢し、兄貴たちの後に続く

‟ 玲、お前は無事か・・・。
  危ない目にあってないか・・・。”

組員たちが倉庫の表に立っていた見張りを、瞬殺で沈めていく。

そして・・組員が倉庫の扉に手を掛け開けた。

中からは何人もの人がいるようで、怒鳴るような声も聞こえる。

そんな中・・「ヤ、ヤメロ!来るな!」女の叫ぶ声!?

‟ 玲!!!”

その時、突然パンパンパンと手を打つ音が倉庫に響く。
それまでのザワザワとした音が一瞬で静かになった。

「お久しぶりです、大西組の皆さん。若頭をはじめ皆さんお揃いで、今日は
 何の集まりですか?」兄貴が不敵な笑みを浮かべ声を掛けた。

「あぁ、黒瀬の若じゃないですか?お久しぶりです。
 今日はうちの仕事の整理で・・・ところで、ここはうちの倉庫ですが、
 何か御用ですか?」

大西組の若頭がニコニコしながら応える。

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