気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
玲の顔からは信じられないと思っているのが分かる。

「フッ・・ガラじゃないだろ?俺だってこんな自分に驚いてる。
 だが・・・痛かったろ、辛かったよな・・。」

そう言うと玲を俺の胸に抱き寄せ、労わるように優しく包み込んだ。

女をこの腕の中に抱きしめたことすら無かった、いや、それすら嫌悪して
しようとも思わなかった。

なのに・・玲には自然と身体が、心がそうしたいと反応する。

俺の行動に驚きながらも玲は話始めた。

「蓮、私は情報屋のCAT。そして、夏木玲。
 今回の件はカラスと黒瀬組、そして私で探って大西組だと判明した。
 でも、肝心のクスリの隠し場所が不明だった。
 それで、相談して私が囮になって場所を突き止める計画を立てた。」

ここまで言って俺の顔を伺うように目を合わせる。

俺は黙って頷き、先を促した。

「計画通り私は掴まり、奴らはクスリの隠し場所であるあの倉庫に行った。
 私の居場所はカラスがGPSから知っていたから、カラスから黒瀬組に連絡
 がいったはず。」

「あぁ、そこに俺もいた。」

その時の事を思い出し、思わず腕にギュッと力が入った。

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