気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活

それから、再び朝食を食べ終えると「今から荷物運ぶぞ。」という蓮に
有無も言わさず地下の駐車場に連れて行かれると、いつもの車に乗せら
れた。

「おはよう、玲ちゃん。」「おはようございます。」

「あ、おはようございます。」

車に乗ると、鳴井恭と久我隼人が挨拶してきた。

「玲ちゃん、殴られたとこは大丈夫？」

私の頬に貼ってある湿布を見て鳴井恭がいう。

「あ～、大丈夫です。蓮が大袈裟に湿布なんてするから・・・。
　まぁ、お陰でだいぶ腫れは引きました。」

「へえ～、蓮がねえ～」

そう驚きながら、蓮を見て目を細めると蓮が無言で後部座席から助手席を
蹴った。

「ッ・・痛いなぁ～。
　所で玲ちゃん、これから長い付き合いになると思うから、よろしく。」

「あ、はい、こちらこそ。」

昨日の今日だというのに、既に話はついているようだ。

それもそうか、今から引っ越しだ。
おそらく、手配をしたのは秘書である鳴井恭だろう。

車から外の景色を眺めていると、直ぐに見知った景色に変わる。

私達がマンションに到着すると、既にトラックがスタンバイしていた。