気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
タクシーを降り帰るのは、勿論私の飼い主である蓮のマンション。

部屋の鍵を開け「ただいま~。」と向かったリビングには、不機嫌丸出し
の我が飼い主の蓮がいた。

思わず、私でも後ずさりしたくなる程の黒いオーラを纏ったまま「おかえり」
とこちらも見ずに言うと、ソファーに深く腰掛けたままグラスを傾ける。

これは、近づかない方が賢明だとそーっと自分の部屋に向おうと、一歩
踏み出すが「オイ。」という低い声に足が止まる。

恐る恐る声のした方を見れば、流石キング様と言いたくなるほどの鋭い視線
をこちらに向けていた。

「出掛けるとは聞いていたが、ホステスの仕事をしてるとは聞いてないぞ。」

あ~、どうやら蓮が不機嫌なのはその事が原因らしい。

「あそこは、私の保護者でもある静香さんがママをしているお店なの。
 今日は、偶々、人が足りないから助けて欲しいってお願いされたのよ。
 私だって、親代わりの人の頼みは断れないわ。」

そう言うと、一応事情を知っている蓮は渋々「・・そうか。」と納得した。

が、ここで終わる私ではない。

「私も蓮に言いたい事があるんだけど。」

「なんだ。」

< 73 / 104 >

この作品をシェア

pagetop