気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
気を取り直し隣を見れば、彩香がお目当てのバーテンと何やら会話して
いる。

‟ 大丈夫そうね ”

「彩香、私先に帰るね。」

「うん、気をつけて帰ってね。今日はありがとう。」

「うん、報告楽しみにしてる。」

そう彩香に伝えると喧騒ひしめくCHAOSを後にした。

外に出ると夜風が気持ち良くて、さっきまでの喧騒が嘘のようだった。

歩き慣れた繁華街をスタスタと脇目もふらず進み、繁華街を抜けたところで
信号待ちをしていると、高級外車が目の前に停まる。

「・・乗れ。」

有無を言わせぬ物言いと高圧的な態度に「ハァ~?」思わず漏れる小馬鹿に
したような反抗的な一言も、「チッ・・」という舌打ちと射抜くような鋭い
視線に、仕方なく後部座席のドアを開け座る。

「・・送る。」
ボソッと告げられた言葉に相手の顔をまじまじと見るも、相手は真直ぐに前
を見ていて、目も合わせない。

助手席に座る、秘書の鳴井が場所を聞くので、取りあえず素直に場所を伝える
と、ナビで検索して目的地設定をした。

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