気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
年の瀬が近づき一段と寒くなった今日はクリスマスイブ。

蓮は今日も仕事・・年末は大忙し。

でも、今晩は蓮とホテルでディナーの予定。

要さんに連れて行かれたフレンチレストランにもう一度行きたいと私から
蓮にお願いした。

折角良い店なのに、嫌な思い出じゃなくて今度は二人で良い思い出にした
かった。

今日、私は蓮に素敵なプレゼントを用意している。

蓮はどんな反応をみせてくれるだろう。

少しワクワクしながら支度をする。

今日は大人っぽいイメージで、黒の膝丈ワンピースにアイラインばっちり
真っ赤なリップをひいた。

準備ができたところで蓮からメール

「駐車場、来い。」

面と向かっては口数も多くなって長い会話もできるのだが、メールと私以外
には未だに一言か短文で態度も冷たい俺様キング。

エレベーターで地下駐車場に降りれば、いつもの黒塗りの高級外車ではなくて
同じ黒でもイタリアのスポーツカー。

運転席に座る蓮が「乗れ!」と声をかける。

驚きながら助手席に乗ると「蓮って運転できたんだね。」思わず心の声が漏れる。

「当たり前だろ、俺を幾つだと思ってるんだ。」

「だって・・いつも久我さんの運転じゃない?
 この車って誰の?」

「俺の。実家の車庫に置いてた。」

「へえ~、安全運転でお願いします。」

「了解。」

すると、煩いくらいのエンジン音を響かせ車はホテルに向かった。

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