青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
テンちゃんも交えて暫し談笑していると、オーナーが戻ってきた。
親商品の説明と試飲をさせてもらい、私はハーブティー、テンちゃんはコーヒーをテイクアウトし、てぃーのを後にした。
私がテンちゃんに購入したコーヒーの粉末は、お家にお邪魔した時に無事渡せた。気に入ってくれたようで、今テイクアウトしたものはそれだ。
「ん、これ美味しい!」
左手に持った温かいハーブティーは、初めて味わうもの。
喉越しがよく、程よい甘さと酸味が舌をくすぐる。
「ちょっと頂戴」
テンちゃんの言葉に、私は特に何も考えず手渡した。
彼がそれを一口飲んだところで、気がつく。
か、関節キス………だということに…。
一方のテンちゃんは、「たしかに美味いな。……俺、てぃーのの飲み物全制覇目指すことにした」と、若干無謀な制覇を目指すらしい。
テンちゃんから返ってきたハーブティーを唖然と見つめていると、彼は心底不思議そうに、しかしピシャリと当ててきた。
「何を今更関節キスくらいで動揺してんの?普通にキスしてきただろ。……俺のも飲むか?あ、みやびにはちょっと濃いかな〜。」
後方の言葉で、前の言葉に対する羞恥心は飛んだ。
意地悪げに口角を上げる彼にむっとして、差し出されたテンちゃんのコーヒーを一口飲む。
「…美味しい……私も全制覇目指そうかな…」
私はどちらかというと味薄めが好きで、お店で頼むものもいつも同じものだった。
でも箱を開けてみると、濃いコーヒーも美味しいし、今日初めて飲んだハーブティー、も美味しい。
「だろ。なら一緒に制覇するか」
彼は私の呟きに何故か誇らしげに言ったあと、約束、と言うように、コートのポケットの中で私の手を握る力を強めた。